鍼灸治療ケースレポート

 

このページでは、実際に「獣医師のための鍼灸・ボディーワーク講座」にご参加いただいた獣医師の先生方に発表していただいた鍼灸治療のケースレポートをご紹介いたします。ここでご紹介するケースは、どれも「獣医師のための鍼灸・ボディーワーク講座」および、「Chi-institute漢方講座」の受講期間中に受講生の先生方が実際の臨床現場で鍼灸並びに漢方治療を行ったものです。受講期間中は、ご自身のケースについてのケースカウンセリング無料のサービスが受けられます。どの先生方もアドバイスを受けながら治療を行い、すばらしい成果を上げています。

本講座を修了した先生方は、実際の臨床現場で中獣医学の技術を大変有効に活用し、みなさん活躍していらしゃいます。

なお、この講座にご参加を希望されている獣医師の先生はご自身でケースをお探しいただき、実際に治療を行っていただきます(宿題として必須)。また、授業後は習った経穴を復習するため(宿題)にご自身の動物あるいはツボを探させてくれる動物で自主勉強を行っていただきます。ここにあげているケースを参考にご自身の周りでケースを探してください。


Yumi holistic veterinary clinic (横浜)

坂内祐美子(Chi-instituteにて獣医鍼灸師、獣医漢方医、推拳按摩師、フードセラピストの資格認定取得、Chi-institute小動物鍼灸コースインストラクター)

青木奈緒美先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 ケース1 Yちゃん (4歳雌、キャバリア)

結膜炎を起こしてしまい、眼球内に血管が走り、パンヌスという症状を起こしたケース。

目の周りに白針と水針、その他、体質改善のために背中や四肢の経穴を使って治療し完治。目の中の血管はかなり薄くなり、目立たなくなりました。Jing tang herbal社の漢方薬も併用しました。

Chi-institute発行のTCVMニュースで発表しました。

TCVMニュース(2013winter issue)  

↑リンクしています(6ページに掲載)

ケース2 はなちゃん(キャバリア、避妊メス、8歳)

角膜ジストロフィーが鍼治療で改善したケース

2年前にかかりつけ医のものとで眼の白濁で診察を受けた。

角膜ジストロフィーとの診断であった。角膜の変性ということで、治療もできず様子見ということになった。最初は、左目のみであったが、のちに右目にも白濁が確認できた。鍼治療には、心疾患の初期であるということで受診を希望された。一か月に一度の施術を受けおり、2回目の診察時に目の周りに白針と水針を打った。

治療後、体重が増え、毛ヅヤが良くなり元気が出てくると同時に、眼球にできた陥没箇所も徐々に目立たなくなるようになった。3か月後には、肉眼で見る限り、眼球に異常は見られず完治している。その間、目薬などの鍼灸治療以外の治療は行っていない。左目は写真で記録を取っていなかったが、若干の痕跡があるが、ほとんどわからないくらいに治癒した。 


ケース3 坂内クルちゃん(フレンチブルドッグ11歳避妊メス)

フレンチブルドッグにおける一年を通じた食事療法による体調管理について

このケースレポートはChi-instituteのフードセラピストの資格認定を受けるために2015年6月に作成したケースレポートです。1998年より愛犬に手作りごはんを実施してきた集大成ともいえるケースレポートです。短頭種は鼻が短く外気や季節の影響を受けやすく、また病気が多いことを加味し、その上で体質に合ったご飯づくりを実践してきました。このケースレポートはAJTCVMというChi-instituteで講師を行っている先生方が編集する中獣医学専門雑誌に掲載される予定です(2016年8月号を予定)。今後は授業教材として扱っていきます。

 


Corn Lily Animal Holistic Clinic (神奈川県)

大野真智子先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師、獣医漢方医の資格認定取得)発表

 

 ケース1 ゆたかくん(猫12歳、腎不全)

腎結石を患い、手術を試みたものの結石を取り除くことができず、点滴をはじめとする西洋医学での治療と鍼治療によりターミナルケアを行ったケースです。ゆたかくんは真智子先生が獣医になって初めて飼い始めた愛猫で、思い入れはひとしおでした。この治療を通じて鍼治療の素晴らしさを実感したそうです。ゆたかくんとの最後の時間を有意義に過ごせ、獣医師としてそしてまた愛猫を慕う一飼い主として充実した日々であったことを記録して発表してくださいました。

 

ケース2 野良猫(推定2歳くらい、産後の発熱と避妊手術後のケア)

気虚、陰虚、肝気滞が起きた授乳中の野良猫に鍼と漢方治療を行った例

ゆたかくんを見送った後、お勤めの病院にて4匹の子猫を出産した野良猫のケース。この野良猫ちゃんは後に真智子先生の家族となります。授乳中に発熱し、漢方と鍼にて治療を行ったケースです。子猫たちは無事新しい飼い主さんのところへもらわれていき、この子も真智子先生のお宅に引き取られ、避妊手術を行いました。その際にも漢方薬を使って、避妊手術の予後管理、ストレス管理を行いました。今では、おうちにもなじみ、真智子先生の愛情を一身に受け幸せに暮らしています。

 

このケースは、TCVMニュースに発表しました!

 

http://www.tcvm.com/Portals/0/Newsletter/PDF/2015SpringRS.pdf

 

上記のリンク先の9ページに載っていますのでダウンロードして是非ご覧ください。


Yumikoのブログでもご紹介♪

http://ameblo.jp/kuruhoru/entry-12023511105.html

http://ameblo.jp/kuruhoru/entry-11979761043.html


ケース3 きゅうべえ(2ヵ月齢雄の野良猫、傷口の治療)

血滞と気虚を起こした2ヶ月齢の雄猫に鍼と漢方治療をした症例

きゅうべえは車のエンジンルームにいるところを保護され、右足の下退部に大きな傷を追っていました。傷口の洗浄や抗生剤の投与に加えて針と漢方を併用して治療。一時は断脚も考えていたケースでしたが無事に傷口も治り、完治しました。

ケース4 クッキー(4歳、避妊メスプードル、ダイエット)

肝気滞が脾を過剰コントロールしたことによる肥満に鍼と漢方治療をした4歳の避妊雌のトイプードル

一か月間の間、ダイエットの漢方薬と家でのマッサージ、カロリー制限、運動を行い、ダイエットに見事成功!診察の際には鍼治療も行いました。肥満によりいろいろな身体的な問題を引き起こします。体重管理はとても大切な健康管理の一つです。肥満でお悩みの飼い主様、漢方や針をおススメします。

ケース5 チョコ(12歳、メス、ミニチュアダックス)

グレード5の椎間板ヘルニアを発症し歩行困難の状態で針と漢方治療を行ったケース

獣医学的には手術をお勧めする状況ではあるのですが、以前麻酔をした後の状況とか、年齢的な事等から、手術には抵抗感があるとのことでした。レーザー治療、一般的なお薬の反応もいまいちであったため、1月末から鍼治療と漢方薬をスタートしました。週二回の鍼治療と漢方治療を行い最初の3週間はほぼ状態が変わらなかった。そのため、漢方薬の投与量を倍量に増やし、電気刺激を強くした。治療開始後一か月くらいで後肢の神経反射が少しずつ戻ってきた。

詳しい内容は、アメブロで

http://ameblo.jp/corn-lily/entry-11998997268.html

http://ameblo.jp/kuruhoru/entry-11999030770.html

 


 

真智子先生のブログ

まちこ先生のよしなしごと「Corn Lily Animal Holistic Clinic」

湘南地区を中心の往診専門の獣医鍼灸治療院。診察ご希望、ご相談はmachiko★corn-lily.comまで。西洋医学・東洋医学を共に模索し、日々奮闘中。日常の心に溢れる「おっ」って思う事や動物と人がハッピーに生きられる日常を書いています。

真智子先生のホームページ

往診専門獣医鍼灸治療院

Corn-lily Animal Holistic Clinicホームページ

大事な大事な皆さんの小さな家族。その健康を力を合わせて、一緒に守っていきたい。粘って出来るだけの事をしたい。動物さんたちのお母さんみたいな存在になりたい。そんなコンセプトのもと、当院を開院いたしました。


はるる動物病院(山口県長門市)

小田さゆみ先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師、獣医漢方医の資格認定取得)発表

 

ケース1 チーちゃん(避妊済みメス11歳シーズー)

右顔面麻痺・舌半麻痺・ドライアイ・肝酵素上昇の症例

重度の角膜潰瘍と角膜・眼球炎と診断され、大学病院での眼瞼縫合と血清点眼で角膜潰瘍自体は改善したものの、その後、右(患側)の顔面麻痺・舌半麻痺・涙液減少()を生じたケース。鍼治療と漢方治療にて無事完治しました!

ケース2 グレッグ(16歳、オス、ダックス)

変形性脊椎症によると推測される後躯麻痺、慢性皮膚炎、外耳炎、白内障の16歳のM.ダックスの漢方と鍼治療。

近くの病院にてレントゲンで変形性脊椎症と言われレーザーと投薬で一度歩けるようになったが、再び立てなくなったため来院。鍼治療と漢方治療で歩けるようになっただけでなく、長年の皮膚の問題と耳炎まですっきり解決!絶妙な漢方薬を選び、見事治癒した症例です!さすがです。

ケース3 ポニー(16歳、オス、シュナウザーミックス)

肝にマスがあり手術不適応とされた15歳シュナウザーMIXの前十字靭帯断裂の漢方と鍼治療

後肢跛行で他院受診。左前十字靭帯断裂で手術を勧められたが、術前検査で肝臓に腫瘍が見つかりALP,CHOLの上昇も認められたため、手術不適応となったケース。足の痛み・跛行を何とかしたいということで当院での鍼灸漢方治療を始めた。右ひざの強いクリック音と不安定、膝関節の腫脹著明。ずっと右後肢を挙上していた。わずか3回の鍼治療と2か月間の簡便なテーピングと漢方薬で、ほぼ完全にもとの歩行状態に戻った。


ケース4 くろ(推定16歳、メス、日本犬雑種)

前庭疾患による斜頚と後肢虚弱、尿漏れの鍼治療

2~3日前から後肢に力が入りにくく、来院当日は立てなく、頭が右に傾いているということで受診。数年前から夜間の尿漏れがあった。3回の鍼治療を実施した。鍼をした日はよく寝るが、翌日からげんきで後肢もしっかりして調子が良い。尿漏れも、気にならないほどに改善し、斜頚は、わからないほどになった。よく食べて元気になった。


ケース5 ピーチ(5歳、メス、ワイヤーへヤードミニチュアダックス)

一か月前からの椎間板ヘルニアで、深部痛覚も消え後躯の完全麻痺と排尿障害をおこしたケースの針と漢方治療

一か月前に急に階段が上がれなくなって近くの2件の動物病院を受診。椎間板ヘルニアとの診断で痛みどめを一週間飲んだが改善なし。両後肢は完全にマヒし深部痛覚も消失。排便・排尿も自力でできないため、圧迫して排出させており、一生介護生活と言われた。これまで特に病歴なし。結果として、1か月半を過ぎるころから、目に見えて改善し、2か月過ぎるころから歩行ができるようになり、並行するように排泄機能も回復し、3か月半を過ぎて1か月ぶりに来院した時には、駐車場を走り回っていた。

詳しくは、アメブロにアップしました。http://ameblo.jp/kuruhoru/entry-11999548450.html

ケース6 チェス(10歳イングリッシュスプリンガースパニエル、未避妊メス)

自壊した大型の乳腺腫瘍を、外科切除をせず、漢方薬のみで7か月間QOLを維持した症例

数年前から腹部に乳腺腫瘍と思われるマスが多数確認されていたが、オーナーが「自然」がいいとのことで手術も治療も希望されなかったため、そのまま経過観察していたが、腫瘍の末期状態としての自壊し大量に出血した時点で来院され処置を希望される。改めて外科的切除か漢方を含めた対症療法かを説明しご夫婦で話し合っていただいた。結果、すでに一般的な外科的切除が困難なほど拡大癒着(23cm×横9cm、高さ5cm、辺縁不明、4か所の自壊部あり) していることから切除は考えず、また、経済的側面から鍼治療も希望されないとのことで、自壊創の局所ケアと漢方療法でのみ対処することとなった。漢方薬処方後、マスの腫れも引き、小さくなり、自壊部も小さくなっていた。バンテージしておけば本人も気にせず、出血性浸出液も減っていた。マスの表面も比較的きれいになっていた。この後、乳腺の腫瘍は、ほとんど大きさも変わらず。家での定期的バンテージ交換とクリーム塗布で亡くなるまでの7か月半、それ以上の拡大も自壊の悪化も見せず、そこそこの状態で維持でき、QOLの維持ができた。なお、出血のひどい時には単発で使用できるよう、止血作用のある塗布する漢方薬を渡している。

 

はるる動物病院ホームページ

山口県長門市にある はるる動物病院は、 犬・猫を中心に、 動物と飼い主様と二人三脚で治療を行っている病院です。
獣医師及びスタッフ全員が女性で、 優しく温かく傷ついたペットを癒していきます。


しちふく動物治療院 (東京)

土屋多佳子先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 

ケース1 ちゃこ(9歳避妊済みMixうさぎ)

肝気滞、脾気虚、および衛気虚を伴う頚部の気滞による斜頚ウサギの鍼治療

90°の斜頚と眼振の症状を示し、食欲廃絶、ケージ内を回旋し、ローリング発作がみられた。血液の免疫学的検査の結果、エンセファリトゾーンの抗体価が640倍と高値であり、西洋医学的にエンセファリトゾーン感染症と診断された。西洋医学的治療により眼振が消失したが、後遺症として強い斜頚、頚部と前肢帯の硬直、および側弯などの症状が残った。発症から77日経過してから鍼治療を開始。20日間で9回という短期集中的な方法で行ったにもかかわらず、この治療により静止時の斜頚の傾きが改善した。筋肉の硬直が緩和して体高が高くなった。側弯も軽減した。頚を長く伸ばしたり、周りを見回したりできるようになった。発作と眼の症状は消失した。食欲が回復し、体重も発症前のレベルに戻った。

しちふく動物治療院ホームページ

 

ブログ: 鍼灸獣医しちふくのひとやすみ

 

しちふく動物治療院は鍼灸(しんきゅう)治療専門の動物病院です。 かかりつけ動物病院でいつもの治療を受けながら、 同時に当院の鍼灸治療を受けられます。


クーラアニマルクリニック (兵庫県姫路市)

神田優子先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 

ケース1 チャイ(10歳避妊済み、ミニチュアダックス)

/血滞および脾気虚を伴う腎気虚の椎間板ヘルニア(IVDD)手術後の鍼治療

GradeⅣの胸椎の椎間板ヘルニア(Intervertebral disc disease/IVDD)によりステロイドの内科的治療で経過観察となった。しかし、症状の改善がみられないことから、20131110日に外科的治療(Hemilaminectomy)を実施した。術後、元気食欲は問題なかったが、後肢麻痺の状態が続いた。ステロイドの内服を続けていたが、右の深部痛覚の低下を懸念して、リハビリと鍼治療を行った。4回目の治療から立ち上がる仕草をするようになり、6回目の治療では歩行の回復がみられるようになってきた。そのため、治療間隔を開けて、自宅でもマッサージ、指圧と歩行のトレーニングを行ってもらった。8回目には、後肢で飛び跳ねるまでに回復が認められた。

 

クーラアニマルクリニックホームページ

 Cura アニマルクリニックは、動物鍼灸によるケアを通じて可愛い動物たちの健康・介護をお手伝いするる兵庫県姫路市の動物病院です。

あきらかにここが悪い!というわけではないけれど、いつもとはちょっと違うな、と感じたことありませんか?それは体のバランスが崩れているサインです。些細な事でも病院で聞いてみよう!そんな習慣をつけましょう。

病院任せ、獣医任せでなく、ペットを家族でサポートしていく…。大変なことではありますが、
『家族の絆、笑顔が得られるケア』が何よりも大切です


高丘動物病院(静岡県浜松市)

岡本史子先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 

ケース1 ゴン(15歳雄、ラブラドールレトリバー)

15才のラブラドールに鍼灸治療を用いたターミナルケアを行った症例

20126月より気管虚脱を患い、20133月より腎不全を発症した。この頃より少しづつ体調が悪化し、食欲が落ち始めた201386BUN55、Cre2.8に上昇し食欲廃絶、起立困難となったため、鍼治療を試してみることとした。筆者は過去に鍼治療の経験がなく、同年85日より坂内祐美子先生の元で、鍼灸治療の勉教を始めたばかりであった。このレポートは筆者が鍼治療を始めて行った5ヶ月間のレポートである。鍼治療によりゴンは食欲を取り戻し、一時は立ち上がりさえ困難だったものが、段差をなんなく昇降し、芝の庭で遊べるようにまで回復した。飼い主が補助すれば最期まで歩行することができ、死亡当日も一度だけ自力で立ち上がり、老大型犬飼育の懸念の一つである床ずれは、ゴンに関しては全く無縁であった。また、3年に及ぶ気管虚脱による発咳は、西洋医学の気管拡張薬の投与もおこなっていたが、鍼治療開始以降ほとんど認められなかった。さらにゴンに関しては、最後までNSAID等のペインコントロールのための投薬は一切行わなかった。今回日本のペットの理想的な最期を、鍼治療を併用することにより提供でき、私の鍼治療への自信となった。

ケース2 もも(9歳雌、雑種)

重度のアトピー性皮膚炎

皮膚のアレルギーは1歳から発症。寄生虫の検査は-。毎年特に夏に悪化していた。皮膚科専門医からの転院で、その病院で長期にわたりさまざまな西洋医学の薬を処方されていた。2013年の秋から脱毛著しく、毎冬は被毛が生えてくるのに、脱毛著しく、毎冬は被毛が生えてくるのに、その年の冬は、抜けたまま戻らなかった。脱毛で悪化がひどい部位は、肝と肺の経絡に一致している。 食欲はあり、よく食べるが削痩。患部にはかゆみと熱感がある。2014年2月より漢方と針の治療を開始、毛が生え変わる5月には一見悪化したかのように毛が抜けたが、かゆみは少なく状態は安定していた。9月には冬毛が生えてきて見違えるように元気になった。現在は、他の皮膚疾患の治療中であるが、治療当初のような脱毛は無く、全身に毛が生えている。 

高丘動物病院 (静岡県浜松市)

 

ペットのホームドクターとして、ご家族がより良い生活を送るために、日頃の健康食餌管理から、しつけのご相談、病気の予防と治療まで皆様をサポートさせていただきます。ペットに関する一般診療、予防・健康管理まで何でもご相談下さい。鍼灸治療や漢方治療も積極的に取り入れています。


あいのまち動物病院(埼玉県)

二宮順子先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)


ケース1 ココア(7歳、雌、キャバリア)

7歳キャバリアにおける膝蓋骨脱臼後、鍼治療を用いて膝関節のメンテナンスを行った症例

20135月高所から飛び降りた後から左前肢の跛行が確認されたが、著しい痛みと腫脹はなく、指圧マッサージとびわ温灸にて対処した。夏頃から同居犬との散歩に途中からついて行けず、疲れが見られるようになってきた。201310月に心雑音が確認された。20131111日寒い早朝の散歩後、左後肢を前方に伸展したまま痛がって動けなくなった。しばらくして足の状態は正常に戻り、歩行も可能になった。その後の診察時に、左右膝蓋骨脱臼と判明した。今回の症例において、投薬治療などをする程度ではないが、明らかに膝関節の痛みを起こす素因を持つ動物のメンテナンスに、鍼灸治療は有効であった。鍼灸治療は、西洋医学で治療の対象外となる病状や投薬ができない動物に対する治療の選択肢の一つとして安全であり、体全体の調整にも奨められると考えた。

あいのまち動物病院 (埼玉県鴻巣市)

一般の診察、トリミング、鍼灸・漢方治療を通して皆さんの大切なご家族をサポートしていきます。
お散歩の途中に立ち寄ってもらえるような、何でも相談できる身近な存在になれたら嬉しいです。


御厨由香先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

ケース1 C(4歳雄、ミニチュアダックス)

椎間板ヘルニアの術後に鍼治療を行ったケース

術後3日目に深部痛覚を失い、また、尿失禁と便失禁を起こすようになったため、鍼治療を開始した。術後3日目、4日目、5日目と連続して鍼治療を行い、5日目、7日目、10日目にも治療を行った。術後13日目(6回目の治療)には時々後肢を使って歩くことができるようになった。術後20日目の治療時にはふらふらしながらも後肢を使って歩けるようにまで回復した。


菊池加菜子先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

ケース1 小作(10歳去勢雄、雑種猫)

慢性鼻炎・副鼻腔炎を鍼と漢方で治療したケース

数年前から膿性の鼻汁があり、時々喘息のように呼吸が苦しくなることもある。特に冬場に悪化。現在はGV-14のあたりにひっかきキズのような…好酸球性皮膚炎のような皮膚炎がある。今回のケースは鍼治療のみで消化器症状・被毛のパサつきが劇的に改善した。また、ぼんやりしていた目に輝きと力が出てきた。鼻の症状は鍼治療のみでもある程度改善したが、漢方薬のWei Qi Boosterを投与したことにより免疫力が上昇し、気・血・津液のすべてを補うことができ、症状はより改善した。

 


シートン動物病院長岡 (新潟)

新保雄一郎先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 

ケース1 ウッディ―(18歳去勢済みビーグル)

肺陰気虚と肺腎気虚と心陰虚による神の障害を伴う慢性咳、後肢虚弱、
不眠による昼夜逆転を持つ18 歳ビーグル犬のターミナルケアについて

右甲状腺癌摘出のあとから乾いた咳をするようになった。いつも咳をしており、動くとすぐ呼吸困難になった。それは徐々に悪化し、肺の雑音が軽度に認められた。後肢は虚弱していた。後肢の筋肉は徐々に委縮していた。左後肢には軽度のナックリングがあった。認知障害による旋回運動があり、興奮しやすく体は熱かった。2014 年7 月19 日に18 歳10 か月で亡くなった。3 月に針治療と漢方薬の治療を始めてから、咳はとても減り、よく眠れるようになり、顔つきがとても穏やかになった。時間の経過につれて後肢虚弱は良くなったり悪くなったりしたが、針治療のおかげで良い状態が長く続いた。そのおかげで飼い主の負担は減り、よりやさしく接することができた。亡くなるその2 時間前までご飯を食べ、正常な排泄をし、とても穏やかに、家族に見守られながら眠るようにこの世を去った。

 


こばやし動物病院 (埼玉)

小林由美子先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 

ケース1 ナッツ(7歳避妊済みトイプードル)

肝血虚、肝陰虚および肺気虚を伴う膝蓋骨脱臼、慢性の咳のあるプードルの鍼治療の一例

2014 年7 月診察の2 日前、彼女は夜の散歩中に突然飛び出してきた猫に驚き、逃げようとした時から右後肢の跛行が続いた。そのころから慢性の発咳が悪化した。咳は常時認められたが、特に朝起きた時、運動の後など昼間に出ることが多かった。その咳は投薬しても、環境を変えても改善しなかった。ナッツの後肢跛行は頻度が減り、時折の跛行は認められるものの、正常に歩行ができるようになった。火の性格が症状を悪化させないよう異常な興奮、過度な運動、不必要な動き(ソファーへの飛び乗り、飛び降り、ジャンプなど)をできるだけ避けて生活してもらうように指示し、家でのマッサージも推奨している。鍼治療に合わせ、このように生活環境を改善することで、発咳に関しても症状の改善が見られた。この状態を維持するために2 週間に1 度の鍼治療を行い、西洋医学的な薬も休薬した。



Jurianペットホリスティッククリニック (東京)

畔蒜美穂先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 

 ケース1 ミニー(12歳避妊済みミニチュアダックス)

腎気虚(Kidney Qi Deficiency)を伴う頸部の気血滞によるBi syndrome のある犬の鍼治療

ミニーは2011 年8 月下旬に頸部の痛みを示し、大学病院でMRI をしたが、異常なしとの診断を受けた。この時はNSAID で改善した。2012 年7 月にムコメトラの診断を受け、子宮卵巣摘出術を受けた。2014 年2 月、左上顎裂肉歯に歯根膿瘍(root abscess)を起こす。2014 年3 月に膵炎を起こし、点滴と絶食の治療で改善した。2014 年4 月に左上顎犬歯の歯根膿瘍が再発した。2014 年7 月16 日、悲鳴とともに左前後肢が麻痺を起こす。レントゲンでは異常が見られなかった。7 月17 日、さらに右前後肢も麻痺を起こす。それにより、体のどの部位も動かせなくなった。NSAIDS での改善は見られなかった。ミニーは動けなくなってから鍼治療を6 回行った後、起立し、ふらつきながら歩く事が出来、明らかな改善を示した。8 回目の治療が終わってからは、ほぼいつも通りの生活を送れるようになった。


動物のホリスティック治療院 溫煦堂 (兵庫)

萩原未央先生(Chi-instituteにて獣医鍼灸師の資格認定取得)

 

ケース1 ブック(7歳未去勢パグ)

肝陰血虚および局所と全身の気血滞を伴う腎気虚・脾気虚が認められる 7 歳パグに対する鍼治療

ブックは2 歳になったばかりの2009 年からIVDD を疑う所見があり、パテラの脱臼や股関節形成不全も同時に存在していたため、後肢の麻痺と痛みを生じていた。ステロイド治療が適用され、2014 年3 月まで続けられていた。また幼犬のころから、てんかん症状があり、年2 回程度の発作が継続していた。ブックが6歳になった2013 年に夜に悪化する呼吸困難の症状のために軟口蓋切除術を行い、以降半年以上てんかん症状は落ち着いているように見えた。後肢の麻痺と痛みから運動不足となり、ステロイドの副作用(過剰体重)、後肢の筋肉の削痩、歩行困難、ふらつきや立ち上がれない状態が進行し、寝てばかりでほとんど動かなくなってきた。2014年5月30日から9月4日まで合計16回の鍼治療を受け、ブックは以前の寝てばかりの生活から、同居犬と追いかけっこをしたり、ソファーに上ったり、毎食しっかり完食したりと、活発な生活に変化してきた。体重は減り、痩せて呼吸も楽になり、発作も起こっていない。後肢の麻痺症状は以前残っているが、治療前と比べると劇的に改善している。また、彼の生活の質は明らかに向上した。